マルフォイ家は本当に貴族だった イギリスと貴族の長い歴史

ハリー・ポッターシリーズ』には魅力的なキャラクターが多く登場します。中でも、主役でないにも関わらず根強い人気があるのがドラコ・マルフォイです。

意地悪ないじめっ子で、家柄を鼻にかけた性悪で、小心者だが身内を大事にするところもあり、嫌な奴なのにどうにも憎めないドラコ。そんな彼が大好きだというファンも多いことでしょう。

しかし、原作ファンでも知らないかもしれない事実があります。マルフォイ家はただ歴史のある名家というだけではなく、本当の意味で貴族なのかもしれないのです。

この記事では、私たちが日々様々な作品で目にする「貴族」とは一体なんなのか、そしてなぜマルフォイ家が貴族なのかについて考察していきます。

裕福な魔法族とそうでない魔法族

素朴な疑問として、なぜマルフォイ家は裕福なのでしょうか?

作中には他にも多くの「純血の名家」が登場します。シリウス・ブラックの生家であるブラック家、ベラトリックス・レストレンジの生家であるレストレンジ家、もっと身近なところでいけばハリーのポッター家やネビルのロングボトム家もとても長い歴史を持つ家々です。

ポッター家に関して言えば、一族の金庫がガリオン金貨でいっぱいだった理由は説明されています。代々魔法薬の才能があったからです。たとえばポッター家の初代家長である12世紀の魔法使い・スティンチクームのリンフレッドは「骨生え薬」を発明しています。この薬はハリーの時代でも使われていました。

しかし、他の旧家も同様だったかというと、そうではありません。トム・リドルの母であるメローピー・ゴーントの実家ゴーント家は一族揃ってボロ家に住んでいましたし、ロンたちウィーズリー家の家計は火の車でした。

魔法界では歴史さえあれば富が生まれるというわけではないようです。つまり、豊かでいるのには相応の対価や努力が必要ということになります。

その点、マルフォイ家はとても豊かです。ドラコが2年生のときにはスリザリンのクィディッチ・チーム選手全員に最新鋭の箒を買い与えただけではなく、彼の父ルシウスは魔法大臣からプライベートで感謝されるほど多額の献金や寄付を行っています。

さらに、マルフォイ家が有しているのは富だけではありません。マルフォイ家は代々権力と密接な関わりを持っていました。ドラコの父、ルシウス・マルフォイはヴォルデモート卿の配下だったにもかかわらず、政財界とのコネを駆使して二度の無罪放免を勝ち取っています。

魔法界での役職も富と権力で勝ち取ったものかもしれません。ルシウスはホグワーツの理事を務めていました。もしかすると、マルフォイ家の先祖にはホグワーツの改築と下水工事に携わった人物もいるのかも。

マルフォイ家は一体どのようにしてその豊かさと権力を維持していたのでしょうか?